私たちのアプローチ

私たちは、エモーション・フォーカスト・セラピー(EFT)と加速化体験力動療法(AEDP)を取り入れ、痛みや苦しみとかかわる感情を変容し実感できる心とからだの健康を目指します。

 

EFTとAEDPはともに感情に注目した心理療法です。感情体験を促進するシステマティックな手法が示されたEFTの強み、アタッチメント関係を最大限に活用するAEDPの考え方を一人一人のニーズに合わせて調整することが効果的な心理療法の条件であると考え、この二つのアプローチを採用しています。それぞれのアプローチについては以下をご覧ください。


エモーション・フォーカスト・セラピー(EFT: Emotion Focused Therapy)

■ エモーション・フォーカスト・セラピー(EFT)とは?

EFTは、人の心身の健康と心理面接のプロセスにおける感情の役割を重視した統合的なアプローチで、カナダ・トロントに位置するヨーク大学の名誉教授、レスリー・グリーンバーグ博士らによって開発されました。人は何よりも、「感じる」存在であり、私たちの思考や行動は感情の影響を強く受けています。また、行動や思考も感情に影響を与えますが、人を動かす中心にある感情の力を使って人の健康を促進するのがEFTの特徴の一つです。

 

EFTは、成長へ向かう自己実現傾向を重視し、人の健康な力を引き出すヒューマニスティック心理学の人間観を基礎としています。クライエント中心療法の治療関係の考え方を発展させ、共感的理解を超えて、感情を効果的に促進するための技法をゲシュタルト療法から取り入れてきました。さらに、感情心理学、対象関係論、認知科学、情動神経科学、家族療法、心理療法の効果とプロセス研究の知見を統合し、その包括的な理論と実践のシステムが築かれてきました。

 

■ エビデンスとセラピストの役割

これまでに、うつ病、複雑性トラウマ、全般性不安障害、カップル療法に対するエビデンスが示されています。そのため、アメリカ心理学会からEFTの専門書や心理療法デモンストレーションDVDが数多く刊行されています。EFTの実証研究は、認知行動療法、精神力動療法の研究や実践にも影響を与えてきました。現在では、ヨーロッパの数多くの国でEFTの訓練と実践の組織が作られています。また、2014年には、International Society for Emotion Focused Therapy(ISEFT)という国際学会が創設され、EFTが急速に世界的に広がりつつあります。

 

EFTは、エビデンスに基づいたアプローチであると共に、人間のあたたかさが浸透したセラピーでもあります。クライエントとセラピストとの安全な関係性を重要視し、それを土台として、効果的にクライエントの感情変容を促進していきます。EFTセラピストは、クライエントの皆さんが自分自身の感情を認め、表現すること、感情を過度に抑えたり圧倒されないよう調整できるようになること、自分の感情について理解を深め、機能不全となった感情を変容していくことの手助けを行っていきます。

 

■ トレーニングと心理療法統合 

EFTは統合的アプローチであり、EFTを学びはじめる臨床家には他のアプローチを実践してきた方も多く含まれます。臨床活動を続けるなかで、感情の重要性を実感し、それを効果的に扱うための手法や考え方を身につけたいと感じる方も多くいらっしゃるでしょう。EFTは、エビデンスに基づいた感情変容を促進するための手法を具体的に、ステップ・バイ・ステップに示してきました。それらは、他のアプローチの中に組み込むことができる臨床的ツールとなっています。EFTは様々な考え方や実践を統合してきましたが、それが「統合的」であるのは、他のアプローチに「統合」することができるツールを提供する介入モジュールという考え方にも基づいています。


加速化体験力動療法                          (AEDP: Accelerated Experiential Dynamic Psychotherapy)

■ 加速化体験力動療法(AEDP)とは?

AEDPは、セラピストとクライエントが安全なつながりを作り、その中で過去に扱えなかったような感情的痛みに向き合い、そして、自分の中の強みや力に接し、心理的成長や変化を目指す心理療法アプローチです。ニューヨークで長年実践を重ねるダイアナ・フォーシャ博士(元アデルファイ大学教授、現AEDP研究所所長)によって開発されました。

 

AEDPは、短期精神力動療法から出発し、愛着理論、感情心理学、体験療法、情動神経科学などの理論と研究を基礎としています。特に、トラウマに関する理解と支援法としても知られています。現在北アメリカでもっとも注目を集めているモデルです。

 

■ 治療関係とアタッチメント理論

AEDPの治療関係の考え方には、アタッチメント理論と研究を基盤としています。人が苦しさや痛みを扱うことを学んでいくのは、養育者との関係、つまりアタッチメント関係においてです。アタッチメントに注目することによってもっとも成長促進的な環境を与えることができます。

 

人が心理的苦痛や痛みに際しても、それを消化し、乗り越え、成長しようとする力をもっています。AEDPはそのような力が最大限に発揮できる治療関係を作り、一人では扱えない感情を一緒に扱っていくことを促進します。また、そのようにして感じ得た自分自身の力をさらに発展させて、レジリエンス(ストレスにも柔軟に対応し、苦境を耐え抜きそこから成長する力)として育んでいきます。